昭和40年代に建てられた、住宅のリフォーム。

どうやらその昔は学生寮としても使われていたようで、幾度かの改修が行われ、不自然な床の段差や

壁の組換え痕が有り、一部壁には腐食痕などが見て取れる状態。

 

今回は、その構造体から見直し、一度フラットな状態まで戻してからのリフォーム。

解体を進めて行くほど浮き彫りになる問題を、一つ一つクリアーしながらの下地作りは苦労の連続。

新たに住まわれるクライアントの意向も取り入れながら、設計計画の調整・検証を繰り返し、

少しずつ形付けて行った、そんな印象の強い案件です。

 

現場造作した本棚は、どの位置にもカウンター天板が差し込めるよう棚幅を統一し、書斎としての

使い方に幅が生まれるようにしたり、閉鎖的だったキッチンを対面式に変更し、

間仕切り壁にも開口を設けて死角を無くし、お子様がどこにいるかをいつでも確認出来るようにしたりと、

構造的に限られた間取りの中でも、生活の質の向上に繋がる工夫を意識して設計しています。

 

20余年の建築人生の中でも、学びも多く充実した時間となりました。

感謝です。