”北の国から”観光に行ったとき、
麓郷で見た”拾って来た家”の写真。
普段から建築を生業とする僕からすると、
建物自体の構造や部材の収め方、
断熱・気密など、突っ込みどころは満載なのだが、
もともと、そこを目的としていない建物。
見かたを変えると、いろいろと面白い物が見えてきた。
その一つがこちら写真。
丸太をスライス加工した、大きさの違う2枚の古板を
彫りこむように重ね合わせたカウンター。
個人的にそのデザインも好きなのだか、
実は、大きい板の乾燥による”割れ”の進行を抑えるため、
小さな板が”楔”の役割を果たすという、工夫がされている。
「これはそれを狙ってやった加工なのだろうか?」
と妙に関心を持ってしまった。
あまりに見せ方が大胆過ぎて、かえって気付きづらいこの手法。
こういった発想は、とにかく”綺麗に収めよう”とする、
通常の建築現場では、なかなか生み出され難いもの。
既成の物に頼り、楽なほうに流れがちな日々の中では、
決して見つけることの出来ないもの。
だからこそ、固定概念を取り除き、さまざまな視点から
”作る”ということに取り組むのが大事。
そうあらためて気付かせてくれた観光旅行に感謝です。
頑張ろう。