約1ヶ月半に渡って投稿してきた企画。
”家を考える”
思い付きで始めた割には、とても楽しい時間を
過ごすことが出来た。
それと同時に、
自分の”今ある技術”を再確認しながら、
”設計の難しさ”をあらためて考えさせられる、
とても有意義な時間ともなった。
今回は、クライアントがいるわけではなく、
”自分自身の家を考える”というのがコンセプト。
そう、誰よりも理解している”自分自身”の・・・。
それでも、一つ線を引くたび、
”本当にこれが正解かな” 他に何か無いかな”と
迷ってしまう時間が長くあった。
設計を生業としている僕自身がこれだけ迷うのだから、
依頼してくださるクライアントの”迷い”は
相当なものだろう。
もともと設計には100%の”正解”なんてものは無い。
定めたコンセプトの中で”どれが一番有効なのか”ということを、
検証を重ねて形していき、全体の繋がりを考えてまとめていく。
それが”設計”であり”正解”といもの。
これまでも、新規のクライアントに対し
何度もプランニングして、打ち合わせを重ねた結果、
一周回って”最初のプラン”に決まったこともあった。
じゃあ、”それまで考えたプランは無駄だったのが”
決してそうではない。
”このプランが正解だった”という答えを導き出すために
それは必要なプランだったということ。
大手ハウスメーカーの設計や営業担当から見れば、
”随分と無駄なことしている”と思われそうだが、
僕はこの”積み重ねていくプランニング”を、
続けていきたいと思っている。
大概のクライアントが”自分の家を建てる”
というのは人生の中で、一回あるかどうか。
その一回で決断した空間の中で、
その先何十年も生活していくのだから、
迷って当然なのである。
むしろ迷うということが”正解なのかも知れない。
そして、ここまで苦労してプランニングし、
それを最高の形で建築できたとしても、
立ちはだかる大きな”壁”がある。
それは”住んでみないとわからない”という事実。
建築に携わって20年。
正直この”壁”に何度か悔しい思いをしたこともある。
いくらプランニングを重ねても、この”壁”への不安が
拭えずにいることの方がきっと多い。
また、子供の成長やライフスタイルの変化などによっても、
当初、住宅に求めていたものが、変わっていくこともある。
長く住んでいく中で、どの瞬間が100%の”正解”になるかは
本当に誰にもわからない。
でも、そのすべてを乗り越えなければ、
”そこに住み生きる全てに寄り添う建築”
という僕が目指す建築の本来の姿が見えてこない。
”建築は難しい”でもだからこそ”楽しい”
”創る”ということが大好きな僕にって、
この事を生業に出来るということは、
とても幸せなことなのだと、自分でも感じている。
だからこそなのだろう。大変な作業ではあっても、
僕はこのプランニングスタイルを変えようとは思わない。
全力尽くすことに、簡単な手法など無い。
今回の企画を通して”設計士”としての僕の考え方が
少しでも皆さんに伝われば。
そして、共に建築したいと思って頂ければ幸いです。
ちなみに弊社では、ここまでプランを行った後
それに基づいて、概算金額を算出するまでを、
無料で行っています。
建築可能な範囲や建築費の目安など、
着工に至るまでの”道筋”がある程度見えた上で、
設計契約を結んで頂くことで、
クライアントのリスク軽減に繋がると考えているからです。
契約後の進め方については、
下記のリンク先に載せていますので
参考にしてください。
~各業務の計画からお引き渡しまでの流れ~
今回描いたプランはそのまま眠らせていくのは
もったいないので、今後も継続して作業をしていき、
都度、皆さんに報告していきたいと思います。
長い期間、お付き合い頂きありがとうございました。
では、また。