これまで8回に渡って投稿してきた”プレゼンしてみよう”
今回が最後となります。
~Bed Room~
部屋の大きさは8畳。
夫婦二人と犬2匹が寝るには十分な広さ(笑)
屋根は”外張り断熱”を採用するようにして、
構造部分である”梁”を見せるように仕上げ、
躯体の階高は抑えて外観のバランスを図りながらも、
室内側の高さは取れるよう工夫しています。
~ウォークインクローゼット~
約2.7畳の広さがあります。
奥側には棚を設け、部屋の角(外壁側)には、
スノーダクトの排水管を通し、
デッドスペースになり易い所を有効利用しています。
前回説明したように、棚の一部をフリースペース側から
遣うようにしたので、若干収納力は落ちていますが、
夫婦二人分の衣服であれば、十分なスペースかと思います。
~2階トイレ・廊下~
”2階にトイレを設けるか”これは本当に悩みました。
というのも、今回のプランでは、廊下の奥行きがあるため、
吹き抜け側からの明かりが、奥までは届かずに、
バルコニー側が暗くなる可能性があったからです。
トイレを設けずに、そこに全面硝子のテラスドアを付ければ、
明かりも取り入れ易く、バルコニーへの出入りも、
Bed Roomを、経由しなくて済むという、
利点も生まれてきます。
ではなぜ、あえてトイレを設けたのか・・・。
それは、今回の設計コンセプトの中に、
”介護”という要素も含まれているから。
やはり、介護が必要な家族がいる場合は
トイレの使用や入浴など、
介助者が付き添いながらになるため、
時間が長く掛ってしまうことが予想されます。
誰もが”分かってはいる事”ではありますが、
時としてこの”終わるまで待つ”という行為が”家族への負担”
となってしまうことがあるのです。
また、その”負担をかけてしまっている”ということが、
介護者の精神的ストレスに繋がったりもします。
”2階にトイレを設ける”ということは、利便性だけでなく、
その負担を取り除き、生活の向上を図るという、
大切な意味を担っているのです。
では、廊下の暗さはどうするのか。
ここで考えたのが、前回設計変更したRoom2・Room3の”天窓”。
天窓から入った光を、廊下壁の上部に設けた窓から
取り入れるように計画しました。
廊下上に直接天窓を付けようとも思ったのですが、
軒先ギリギリに天窓を設けるのは、屋根下地の組み方を考えた時、
その強度に若干の不安を覚えたため、それはやめて、
天窓が勾配天井の中心辺りに来る、この計画を採用しました。
これにより前回書いたように、ロフトのある高い位置への
明かり取りの効果も得られるようになりました。
ちなみに↓の写真が今までのロフト計画。
廊下の上に競り出すようになっていたため、
光を取り入れる場所がありませんでした。
ここは、プランの完成時からずっと引っ掛かっていたのですが、
良い答えが出せずにいた場所でもありました。
こういうときには↓に載せた”スケルトンパース”を描きながら、
考えを検証しまとめていくのも、一つの方法です。
~バルコニー~
Bed Roomから出入りするように設置したバルコニー。
特徴的なのは、木板張りの腰壁の高さでしょう。
今回は約1600㎜と通常よりも高めにしたのですが、
その理由は2つあります。
洗濯物を干すことも想定しているのですが、
道路側に面しているため、それが丸見えになってしまうのが
気になるなと思ったのが一つ。
もう一つは、木板張り部分に厚み(高さ)を持たせた方が、
外観のパーツバランスを考えた時、落ち着きが出ると
思ったからです。
以上で、本プランのプレゼンは終了です。
思い付きで始めた今回の企画。
どうでしょう?伝わりましたか?
文字のみで伝えるのは、本当に大変だなと、
僕自身も痛感しています・・・。が
今回の企画を通して”設計士 稲村哲彦”の
建築に対する向き合い方・考え方が
少しでも皆さんに伝わっていれば
”これ幸いかな”とも思っています。
まとめは”あとがき”に書きますね。
では。