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先日、こんな問い合わせがあった。

最近の投稿でプラン用紙の中に描いてある、

”じいさんの木”ってなんですか?とのこと

それは・・・。

 

我が家の庭に立つカエデの木のこと。

春になり、今は青々とした葉を実らせているが、

秋になれば、それは綺麗な紅葉となり、

僕らを目で、楽しませてくれる。

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僕らが、この家に引っ越して最初の春。

じいさんと一緒に手入れをした、思い出の木

それが、この”じいさんの木”でなのです。

 

僕が子供のころ、実家には小さな庭があり、

祖父はそこでさまざまな庭木を育てていた。

また、菊の花を育てるのが趣味で、

大会では何度も表彰されていた程の腕前だった。

 

僕も毎年冬が近づくと、祖父と一緒に

庭の”冬囲い”を手伝うのが恒例行事で、

秋の寒空の下、二人でいつまでも

庭いじりを楽しんでいたものだった。

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しかし、時が経つにつれて、祖父の体も弱り

いつしか、庭仕事はやらないようになった。

僕も友人との時間を優先し、祖父と過ごす時間

段々と減ってきていた。

 

その後、僕は結婚し、一度は地元を離れたものの、

しばらく空き家だったこの家(実家の四軒隣)が

売家になっていると聞き、さっそく購入し

数年ぶりに帰ってくることになった。

 

庭に立つこの木は、十数年放置されていたので

枝も伸び放題の荒れた状態だった。

 

この木を見た時、ふと

”じいさんとまた庭いじりでもしたいなぁ”

という思いが溢れてきた。

 

木々が芽吹き始める少し前の、

まだ風が冷たい早春に

当時すでに車椅子移動だった祖父を庭に呼び、

一緒に庭木の手入れをした。

 

その時の祖父は、車椅子に座りながら、

僕に指示を出すだけで、

実際に作業することは無かったが、

その目は当時と変わらず、生き生きとしていた。

 

作業終盤は、さすがに疲れたのか、

何を聞いても”んだの。そうだの”

若干適当な返事をしていたが(笑)、

久々に二人で楽しい時間を過ごせた。

 

祖父とこの木の手入れをしたのは、

これが、最初で最後になった。

その時の二人で過ごした時間は、

今は本当に貴重な思い出となった。

 

そんな思い出があって、いつしか

このカエデの木のことを”じいさんの木”

呼ぶようになった。

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今回、自分の目標となるプランを考える上で、

この木を伐採するよりも、それを残し、

眺めながら生活できる計画にしたかったのは

こんな背景があったため。

 

目標でも、架空の話でも、夢見がちな話であろうと、

そこは僕自身が外せない宝物なので・・・。

 

これが”じいさんの木”の由来です。

 

じいさんとの思い出の作業から早7年。

今年も綺麗な紅葉を見せてくれるかなぁと

いつも楽しみにしている我が家です。

 

では。