前回に引き続き、1階の説明をしていきましょう。
今回はシューズクロークから。
~シューズクローク~
”家族専用のエントランス”という遣い方を提案したスタイル。
大きさは3畳あり、靴だけでなく、普段着る上着や
散歩用具なども掛けておける様なイメージで設けています。
”犬用のシャンプー台”を設置しているのも、
本プランの特徴の一つ。
空く期間はその犬種で違いますが、
家で飼い犬達をシャンプーするのは、
毛並みや皮膚など”健康状態”を確認する上でも、
飼い主にとって、とても大切な作業。
お風呂場で腰を屈めながら、
愛犬たちを、必死でシャンプーして、
作業が終わったあとの、腰痛と疲労感に
苛まれた方も多いはず。
本プランでは、最初からここにステンレスシンクを設け、
椅子に腰を掛けながら、愛犬とのスキンシップの時間を、
心置きなく取れる環境を整えました。
・・・とはいえ、これ大変な作業ですよね(笑)

玄関横にこんなスペースがあれば、
雨降り後の散歩終わりに、足に付いた汚れを落としたり、
畑で採った野菜や、季節の山菜を洗うなど、
用途がいろいろあり、意外と便利です。
ここも暖房は床暖房。
少々濡れたくらいの靴であれば、
置いておくだけで乾いてくれます。
また、普段履きの靴が、メインのエントランスに
置かなくなりますので、足元に邪魔なものが無くなり、
車椅子の旋回がスムーズに出来ることで、
介護生活の安全面を高めることが出来ます。
一般的な間取りから考えると、
ここに3畳分のスペースを使うということに、
どこか”もったいない”という感覚もあるかと思います。
しかし、本プランのテーマ。
”Life-すべての命に寄り添う”に添って考えた中で
そこから生まれるメリットが大きいと考え、
あえて、採用した空間です。
~キッチン~
家族専用のエントランス”シューズクローク”から、
直接出入りが出来る様にしたキッチン。
本来、この動線が無ければ、玄関から一番遠い位置に
キッチンが来ることにまります。
これがあることで、買い物袋を抱えたまま、
キッチンに直接入れたり、調理中の急な来客も
最短距離で対応が可能になります。
また、キッチンを対面式することで、
リビングにいる家族との会話を楽しんだり、
寝室(Room1)にいる介護者の様子を確認たりと、
生活全体を見通しやすくなります。
あえてオープンキッチンを採用しなかったのは、
カウンター天板上は、直接”見えないよう”にするため。
愛犬の世話もそうですが、
やはり、介護作業の対応で家事が滞りがちになり、
それがまた精神的負担となってしまうこともあります。
介護生活を想定した中で、建築の面から
介助者の負担を少しでも軽減していくのもの
忘れてはいけない配慮です。
キッチン後ろには”作業カウンター”を設けました。
そこに電子レンジやコーヒーメーカーなどを設置。
上下には収納スペースを設けるなど、
調理全般を出来るだけ小さい範囲で、
効率的な作業ができるように計画しています。
床は水汚れなどにも強く、お掃除がしやすい塩ビタイル。
暖房は、寒がりの妻に直接温みが伝わるよう、
床暖房を採用。
時として負担にもなりがちな”食事の準備”を
出来るだけ”単なる作業”にならぬよう、
プラン段階から環境の整備は意識しています。
ここから繋がっていくのがダイニングなのですが、
そこはまた次回。
では。