いつもは”言葉”で伝える設計プレゼン。
口頭で説明する分には苦労しないのですが、
いざ文章で説明するとなると、これがなかなか難しい。
気付けばもう6回目。みなさんもう少しお付き合いください。
今回はダイニングから。
~ダイニング~
キッチンカウンターと縦並びで繋がるダイニングテーブル。
配膳や片付けがしやすく、よく用いられる方法。
このダイニングの特徴は、そのテーブルとは別に、
窓際にカウンターを設けたことです。
その一番の理由が、本が好きな妻に、
穏やかに読書が出来るスペースを
”北側”に作ってあげたかったから。
カウンターに届く北側の光。
これは、空気中で日光が乱反射し、それが窓を通して、
多方向から”間接的”に入ってくるもの。
南側からの突き刺すような日差しとは違い、
煌々と明るいわけではないです・・・が。
反射により、いろいろな方向から
光が入るため”影”を作りづらく、
比較的安定した柔らかな光を
一日中得ることが出来るという特徴があるのです。
”影を作らない安定した光”
これが、読書に大変適した環境を生み出してくれます。
キッチンからUTまでの動線の中に、
この空間を設けることによって、
忙しい家事の中で、時折できる少しの”間”を利用して
リフレッシュできる時間が取れればと考えました。
また、上には中2階があるので、通常よりも天井が低く
吹き抜けとも隣り合わということから、その”低さ”がより強調され、
そこだけ周りから”隔離”されたような、
落ち着きのある空間になるように設計しています。
その他にも”パーティー”などを行う時、
取り分ける料理や、ドリンク類をそこに並べたり、
小さなお子さんがいるご家庭であれば、そこで勉強をしてもらい、
”家事の間にちょっと勉強を見てみる”なんてことも可能になります。
ダイニング後ろにある階段は、
6段目まで鉄骨階段を採用しており、
床が階段下まで、繋がるように見せることで、
空間をより、広く見せるという効果も狙っています。
~リビング~
すべての空間の中心にあるのが、このリビング。
これにより、どの空間にもアクセスしやすく、
家族がそれぞれがどこにいるのか、一番感じ取りやすい、
”繋がりのある場所”として、設計しています。
リビング東側は、Room1・ダイニング・UTなどによって、
3面が囲われているので、本来なら暗くなりがちな空間。
しかし、その上に吹き抜けを設けることで、
朝、低い位置から入ってくる東側からの朝日や、
日中の南側の高い位置から射すように照らす日差しを、
逃すことなく得ることが出来ます。
また、庭側に大きな窓を設けることで、
キッチンからも、庭で遊ぶ様子を眺めやすくしています。
事務所へ繋がるスロープを道路と並行になるよう
プランした理由の一つに、この庭や窓を道路側から
見えないようにするためという目的があります。
これにより、リビング側から見ても、
外部からの”視線”が気にならないようになっています。
広さは12畳ほど、ダイニングと合わせると約18畳となり、
十分な広さは確保しているのですが、
他の空間とも繋がっているため、
実際よりもさらに”広い”という感覚が得られると思います。
エントランスとの仕切りとして設けた壁にはTVカウンターを設置。
壁は天井までは立ち上げず、30cmほど隙間を空けて、
天井が繋がってるように見せることで、
開放感が生まれ、より”広さ”を感じるようにしています。
床材は、ナラの無垢材を採用する予定なのですが、
その理由としては、大きく分けて3つあります。
その① 機能性。
適度な堅さがあり、ペットの爪や車椅子のタイヤなどによる、
キズが付きにくいのが特徴。
また、キズがついたとしても、合板フロアーと違い、
サンドペーパーなどで削り落とすことができます。
ペットがいたり、車椅子生活を送る中で、
床へのキズは付きものです。
この傷が、合板フロアーであれば”劣化”に
無垢フローリングであれば”風合”にと、
キズに対する感じ方も変わり、その風合によって、
長く暮らす家への愛着もより深くなってくるというものです。
また、合板フロアーのように表面がツルっとしておらず、
滑りづらいので、ペットの四肢の間接保護にもなります。
その② 衛生面。
ナラ材はパイン材や杉材などと比べて、
じっくりと年輪を詰めるように成長するため、
キメが細かく水分が染み込み難いという特性があります。
もしペットが、専用トイレとは別の場所で、
マーキングしてしまったとしても、すぐに拭き取れば
染み込む前に対処することができます。
その③ デザイン性。
合板フロアーからは決して得られない、
無垢材が見せるどこか”温み”を感じる、その”表情”は、
設計士としては、どうしても取り入れておきたいところ。
空間の中でとても広い範囲を占める床面は、
デザイン性を左右する、大きなポイントなので、
妥協無く良い物を採用したいと思います。
今回のプレゼンはここまで。
やはり、伝えたいことを文字で表すって
大変ですね。
次回で、1階のプレゼンは最後になる予定です。
では。