今回で7回目の”プレゼンしてみよう”
1階の説明はこれで最後です。
~Room1~
来客用の部屋として、設けましたが、
将来、家族に介護が必要になった時のことを
設定しながら計画した部屋です。
リビングとの仕切りは3枚引き込み戸を採用し、
普段は、完全に開放して、広く使えるようにしています。
小さなお子さんがいるご家庭であれば、
そこで、遊ばせておくのも良いでしょう。
引き戸を閉め切ったとして6畳分の部屋になり、
介護者用の部屋として使用するようになった場合でも、
十分な広さが確保されるようにしています。
窓は床から約900㎜~1700㎜に設定にしました。
この窓設定のポイントは2つ
その①
介護者が、中庭を広い範囲でゆっくり眺められるよう、
窓を部屋の南西側角に設け、
高さをベッド上で、上半身を少し起こした状態の
目線を考慮して設定。
範囲を絞ることで、余計な物は見せず、
中庭が四季折々に見せる、
色彩を楽しんでもらえるようにしました。
きっと”じいさんの木”も一役かってくれるはずです。
中庭の見せ方はリビングから眺めた時も
同様の効果が出るよう、男性の目線高さの範囲に入る
ギリギリの高さにしています。
その②
床から900㎜程度に”窓台”が出来ることで、
ベッド周辺のちょっとした小物が置けるスペースを
確保することが出来ます。
これ以上低ければ、捲った布団が引っ掛かってしまうなど、
かえって不便に感じてしまう可能性があり、
これ以上高ければ、横になりながらでは、
何かを手に取る時、取りづらくなると考えられます。
あくまで”自然”にそれ”が使えるような設計は、
介護者にも介助者にも、負担を軽減する、
大切な要素です。
~トイレ・UT・浴室~
当初プランの段階で、介護者の外出が苦にならない様に、
Room1とトイレを玄関側に設定して考えていました。
しかし先に述べた”フリースペース”や
”シューズクローク”の利便性や、
水回りと介護上の利便性を考慮すると、
Room1の近くに寄せる今のプランが良いと判断しました。
トイレ入り口は、車椅子の出し入れや、
介助者の作業がしやすくなるよう、
開口幅の広い3枚引き戸を採用しています。
脱衣室や浴室の入り口も同様の仕様にし、
動線は直線にして、移動作業の”単純化”を図っています。
この”単純化”は将来要介護レベルが上がり、
浴室への移動に介護用の”シャワーキャリー”や
移動用電動リフトを使うことになった時にも、
その効果を発揮します。
トイレ・UT・脱衣室と、状況に応じて各スペースで
仕切ることが出来るのようにして、
介護中に他の家族との同時使用になる場合も、
互いの負担軽減が出来るようにしています。
トイレにある、カウンターの下には、
介護用オムツやトイレットペーパーのストックスペースとして
遣うだけでなく、暖房パネルを設置し、
介助作業時にぶつからないようにしています。
高齢者や身障者が、部屋に籠ってしまうのは
良いことではありません。
とはいえ部屋にいる時のリラックス出来る時間は
しっかりと確保してあげたい。
少しでも”快適”にそしてそれが大げさではなく
”自然”に得られる環境。
そこを整えることによる、肉体的・精神的負担を減らし、
生活の改善に繋がり、”前向きな一歩”を踏む
アシストが出来るような設計。
そのすべてが、介護住宅の大事なポイントになっていくのです。
今回はここまで。
次回から2階のプレゼンに入ります。
では。